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Robert Todd Carroll

SkepDic 日本語版
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UFO (未確認飛行物体 unidentified flying objects)

「過去 21 年にわたる UFO 研究からは、科学的知識に資するものは何一つ得られていない。これ以上の網羅的なUFO研究は、科学がそれで進歩するという期待からはまったく正当化できないであろう」――エドワード・U・コンドン

UFO というのは 未確認飛行物体 のうち、異星人の宇宙船の可能性があるとして同定されたものを指す。こうした物体は隕石や分解する人工衛星、鳥の群れ、飛行機、光、気象観測気球、その他電磁気の可視帯域にあるほとんどありとあらゆるものを含む。いまのところ、常識と科学が要求するような形で異星人の宇宙生としてはっきり確認されたものは何一つない。つまり、同じ UFO 体験が繰り返し見られたことはないし、UFO の飛来や着陸を支持する物理的な証拠もない。

UFO 写真は、ネス湖の怪獣写真と同じくらいたくさんあるし、品質も似たり寄ったり:ピンぼけと捏造ばかりだ。他の物理的な証拠、たとえば墜落したUFOの残骸、宇宙人着陸からくる地面の焼けこげ、宇宙人に誘拐された人物の鼻や脳への埋め込みは、調べてみればどれも十分に地球的なものばかりで、当然ながら捏造も含まれる。UFO を信じる主要な理由は、多くの人の証言であり、SF と現実を区別できないことであり、無能な人々が得体の知れない話を信用する能力であり、否定論をすべて真実を隠すための邪悪な陰謀の一部として信用しないでいられる能力であり、この世を離れた世界とコンタクトしたいという願いである。手短にいって、UFO 信仰は神様の信仰と似ている。


「UFO学は宇宙時代の神話学だ。天使のかわりに、現代のわれわれは地球外生命体を持っている。それは創造的な想像力の産物である。それは詩的で実存的な役割を果たす。人々にもっと深い根っこを与え、宇宙での存在に意味を与える。それは人類が謎を求める欲望の表現であり、超越的な意味への希望のあらわれである。オリンポス山の神々は、宇宙旅行者に姿を変え、われわれの夢を通じて人々を異世界へと連れ出す」
――ポール・クルツ


 天文学者 J・アレン・ハイネク博士は、UFO支持者の急先鋒で、「第三次接近遭遇」なる用語を考案した人物だが、かれはUFOをこう定義している:

空中または地上にある物体や光の知覚報告で、その外見、軌跡、一般的な動きや光が論理的かつ伝統的な説明可能とは思われず、また当初の知覚者にとって謎めくのみならず、常識的な判断が可能な場合にはそうした判断ができる技術能力を持った非墓地とによってあらゆる入手可能な証拠の詳細な検討の後にも未確認のままであるもの。

 この謎めかしたことばによれば、何か知的な人物が合理的に説明できないものを見たらそれはUFOだと言っているようだ。こうしたものを目撃した証人たちは、自分たちの見た物は既知の物理法則では説明できないと主張することが多い。かれらは、自然法則に違反する物を見た、つまり奇跡 を見たと主張する。

 ハイネックが「あらゆる入手可能な証拠」と見なすものは、懐疑論者が求めるものよりずっと少ないかもしれない。たとえば、UFO研究家が主張する証拠なるものは、以下のような内容である: (1) 宇宙人や宇宙飛行船を見たと称する人々の証言; (2) そうした証言を行った人々の種類に関する事実; (3) それを伝統的な形で説明(気象観測気球、いたずら、流星群、光の反射等)できるような反証や物理的証拠、あるいは目撃者の信用を失墜させるものの欠如; (4) UFO研究者たちに対する懐疑論者の議論における弱点と称するもの。この最後のアイテムは目下の話には関係ないのだけれど、でもUFO研究においてはやたらに大きな扱いを受ける。

 自分自身の主張を擁護するような肯定的な証拠を提示するかわりに、反論者の議論や動機を攻撃するのは、UFOが異星人の宇宙船だという主張の擁護者がよく使う手だ。もちろん、反論者の議論を攻撃して、その弱みや欠点をはっきりさせること自体は何もいけないことではない。でも反駁したからといって、自分の議論の裏付けのかわりにはならない。反論者の理屈がおかしいからといって、自分の理屈が正しいと思うのは明らかにまちがった論理だ。直接の裏付けがない限り、自分の議論だって反論者と同じくらい、いやそれ以上に変かも知れない。

 UFO研究家のこれまたよく使う手は、目撃されたものが宇宙人の乗り物ではなかったということを懐疑論者が証明できない、と主張することだ。人はそこから類推して、目撃されたのがやっぱり宇宙人の乗り物だったんだと思うようし向けられる。この種の理由づけはargumentum ad ignorantiamとして知られる。そうでないということが証明できないからといって、そうであるということが証明できるわけじゃない。UFO肯定論として、ここでは二種類の動きがある。一つは、一部の科学者だのパイロットだの空軍将校だの博士号保持者だのが説明を思いつけないから、論理的な説明は存在しないのだと主張する一派。もう一つは、反証の不在を指摘する一派。他の目撃者からの反証がないし、宇宙人や宇宙飛行船じゃないという証拠もないというわけだ。どっかのお利口さんが説明を思いつかないからというのは、正しい説明が宇宙からの訪問者に基づく物かどうかという議論には関係ない。選択肢は別に (A) 伝統的な説明が正しいことがわかっているか、さもなければ(B) 宇宙人が訪問したかのどっちか、というわけじゃないのだ。

 こうした目撃例を伝統的な手段で説明できないのは、単に証拠があまりないからというだけなんだと考えた方が筋が通っていそうだ。別にそうした目撃が本当に宇宙人訪問によるからではないだろう。証拠さえそろえば、たぶんこうした目撃例を伝統的な手段で説明できるはずだ。バーニー・ヒル夫妻が宇宙人に誘拐されていないと証明できないからといって、二人が本当に誘拐されたという仮説が裏付けられたことにはならない。

 多くのUFO研究家は、ヒオットリー・ストリーバーやベティ&バーニー・ヒルなどの自称エイリアン誘拐犠牲者たちがキチガイでも邪悪でもなければ、妄想を抱いているはずはないからエイリアン・アブダクションの正確な説明をしていると信用できるものと考える。だが、ほとんどの正気で善良な一般人が多くのことについては妄想を持っていて、ある種のことについて信用ならないのは当たり前に思える。特に利害のない正気で善良な一般人の証言を信じるのは、一般的には合理的だろうけれど、でもある人がキチガイとか邪悪とか詐欺師だと証明されなければ、どんなことについてもその証言を鵜呑みにすべきだということにはならない。超常現象に関する主張の場合には、目撃者証言以外に追加の証拠が必要だ。地域の偉人が10人ほど、手足の麻痺患者をつかまえて、こいつがはだかで天使の羽をはやして老婆から財布をひったくったんだ、と証言したらそれで有罪確定だろうか? 善良な人が邪悪なことをやっているとか、妄想にとらわれているとか考えた方が、麻痺患者が羽をはやして空を飛んだと信じるよりも合理的だ。

 UFO研究者たちは、アメリカ空軍のプロジェクト・ブルーブックの結論を受け入れるより、自分たちのダメな論理にしたがうほうがいいようだ。プロジェクト・ブルーブックの結論にはこうある:「22 年にわたる調査の結果 (中略) 報告されて評価された未確認物体のどれ一つとして、国家安全保障に対する脅威となるものではなかった」。UFO研究かたちはまた、コンドン報告にも納得しない。エドワード・U・コンドンはコロラド大学に委託されたUFO問題の科学研究チームの主任だった。かれの報告はこう結論づけている:「過去 21 年にわたる UFO 研究からは、科学的知識に資するものは何一つ得られていない。これ以上の網羅的なUFO研究は、科学がそれで進歩するという期待からはまったく正当化できないであろう」

 UFO研究家によると、政府、特にCIAは嘘つきで、宇宙人の着陸と通信を隠しているとされる。しかしながら、政府に対する全般的な不信と、多くの政府役人が一般に報告するときに嘘をついたり真実を歪曲をしたりまちがったりしてきたという事実以外には、これを裏付ける証拠はまったくない。とはいえ CIA は、1950 年代以降は UFO にはほとんど関心を見せておらず、たまに偵察飛行が宇宙人の乗り物かもしれないよとUFO研究家に信じ込ませようとするだけだ。UFO 研究家は、政府の嘘より別の嘘がお好きなようだ。たとえばかれらは、「プロジェクト UFO」という番組を24本作ったNBCの仕事を支持している。これはプロジェクト・ブルーブックに基づいているとされる。だが空軍とはちがって、NBC は宇宙人の飛行機の目撃例が記録されていると示唆する。名作ドラマ『ドラグネット』で有名なジャック・ウェッブ制作のこれらの番組は、番組がもっともらしくなるように情報を歪めて捏造した。NBCの嘘を糾弾する UFO研究家はいない。懐疑論者から見れば、NBCは視聴者の趣味に迎合していただけだ。政府の代理人はいろんな理由で嘘をつくけれど、宇宙人の着陸を隠すなんてのはその理由の中にはない。

 ほとんどの未確認飛行物体は、でっちあげか天文現象、飛行機、人工衛星、気象観測気球、その他自然現象であることがわかる。空軍の調査によれば、UFO目撃例のうち未確認のままなのは 2% 以下だ。おそらくもっと情報が集まれば、その2% も隕石や飛行機などであることがわかり、異星人の飛行船ではないことになるはずだ。

 UFO 研究家にどんな論理的な説明ももっともらしく思えないのは、そうした報告を行ったり聞いたりしている人々が、論理的な説明を聞きたがらないか、そういう説明を探そうとする努力をまるでしないからだろう。いずれにしても、一部のパイロットや科学者たちが、自分の見た観測結果を論理的に説明できないからといって、それが異星人の宇宙船だなんて証明にはまったくならないのである。

 最後に、UFO を通常目撃するのは、修練のない観察者たちであり、プロの天文学者やアマチュア天文ファンが目撃するものはほとんどないことを指摘しておこう。天文学者たちはすさまじい時間をかけて空を見ているのに、なぜか UFO には出くわさない。天文関係者こそこういう異星の乗り物を見かけてもよさそうなものだ。ひょっとしたらずるがしこいエイリアンたちは、優れた科学者たちが懐疑的で探求心旺盛なのを知っているのかもしれない。そういう生き物は、よくできたおとぎ話の安全にとって脅威となりかねないのだ。

関連項目エイリアン・アブダクション (alien abductions), エリア 51 (area 51), cattle mutilations, ミステリーサークル (crop circles), 空飛ぶ円盤 (flying saucers), メン・イン・ブラック (Men in Black), ロズウェル (Roswell).


参考文献

reader comments

-----. Final Report of the Scientific Study of Unidentified Flying Objects Conducted by the University of Colorado under Contract to the United States Air Force (New York: E.P. Dutton, 1969).

-----UFO's: A Scientific Debate, ed. Carl Sagan and Thornton Page (Ithaca, N.Y.: Cornell University Press 1972).

Frazier, Kendrick. (ed.) The Ufo Invasion : The Roswell Incident, Alien Abductions, and Government Coverups (Prometheus, 1997). $18.17

Klass, Philip J. Bringing Ufos Down to Earth (Prometheus, 1997). $8.76

Klass, Philip J. UFOs: the Public Deceived (Buffalo, N.Y.: Prometheus Books, 1983). $15.96

Kurtz, Paul. The Transcendental Temptation: a Critique of Religion and the Paranormal (Buffalo, N.Y.: Prometheus Books, 1986).

Randi, James. Flim-Flam! (Buffalo, New York: Prometheus Books,1982), ch. 4. $15.16

Rutkowski, Chris A. The Tectonic Strain Theory of UFO's (among other things).

Sagan, Carl. Broca's Brain (New York: Random House, 1979), ch 5. "NightWalkers and Mystery Mongers: Sense and Nonsense at the Edge of Science".

Sagan, Carl. The Demon-Haunted World - Science as a Candle in the Dark, ch. 4, (New York: Random House, 1995). $11.20

Sheaffer, Robert. The UFO Verdict (Buffalo, NY: Prometheus Books, 1981). $15.96

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Robert Todd Carroll

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Last updated 11/23/98

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