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Robert Todd Carroll

SkepDic 日本語版
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レイライン
ley lines

レイラインとは、ストーンサークルや石柱、石積み (ケルン)、教会といった古代の史跡や聖地が一定の法則で並んでいると主張されている、その配列のことである。レイラインに関心が持たれるようになったのは、独学のアマチュア考古学研究家・古物収集家アルフレッド・ワトキンス (1855-1935) によって1922年に出版された英国の古代遺跡 (Early British Trackways)がはじまりである。彼はイングランドのレオミンスター近郊にあるブラックワーデンの地図にもとづいて、多数の古代史跡群を一直線上にあることを見いだした。彼はこの事実にもとづいて、古代の通商ルートを発見したのだと確信した。彼が主張したこれらの通商ルートにたいする関心は、イギリスのニューエイジたちの間では神秘的エネルギーの源として、たいへんよく知られるようになった。

今日では、レイラインはニューエイジの神秘主義者たちによって力やエネルギーの源とされ、奇矯なニューエイジ信者たちだけでなく、UFOに乗った宇宙人やダウジングロッドを持った土地の連中まで魅きつけている。これらニューエイジの神秘主義者たちは、地球のある特定の場所にはある特別な``エネルギー''が満ちていると信じている。その中でも、ストーンヘンジ、エベレスト山、オーストラリアのエアーズロック、ペルーのナスカ、ギザの大ピラミッド、セドナ(アリゾナ州)などが特別なエネルギー場だと信じられている。無学な信奉者がおこなった対照化されていない観察にもとづく、よくある主観的確信を抜きにすると、この信念を裏づけるものは何もない。だが信奉者たちは、このエネルギーは地場の変化と関係があると主張している。こんなことは科学的にはまったく検証されてはいない。しかしそうして作成された地図によれば、地球上の特別なエネルギー地点とされている場所は線上にある。たとえばシアトル芸術委員会はシアトルのレイラインを描かせるために、ジオグループというニューエイジのダウザーの団体に5,000ドルを与えた。この結果の写真はシアトル地域の衛星写真に落書きを加えたものだが、この団体から7ドルで買うことができる。この団体は、``このプロジェクトによってシアトルはレイラインシステムと調和・同調した地球上最初の都市となった''と誇らしげに強弁している。芸術委員会はニューエイジの異端セクトに資金を与えたとして懐疑的な市民から批判されているが、この芸術作品はシアトルにある市が保有するビルで巡回展示されている。

市民は懐疑的であるためのあらゆる権利を持っている。ジオグループがこのプロジェクトについて以下のとおり述べている:

シアトル・レイライン・プロジェクトのビジョンは、シアトルのレイラインの力の中心を同定して負のエネルギーを中和し、そしてレイラインの力の中心の正のポテンシャルを増幅することによって、シアトル市域の地球エネルギーをいやすというものです。私たちはこの結果として、病と不安が減少し、全体性と幸福それに宇宙船地球号によって有益な力の中心としての、シアトルのポテンシャルが増加するだろうと信じています。

ジオグループのビジョンは信仰の告白とたいしてかわりない。超越瞑想の主張の残渣にすぎない。



参考文献

読者のコメント

Copyright 1998
Robert Todd Carroll

日本語化 04/22/00

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