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Robert Todd Carroll

SkepDic 日本語版
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バミューダトライアングル(魔の三角海域)
Bermuda (or "Devil's") Triangle

バミューダトライアングル(別名 魔の三角海域)とは、マイアミ、バミューダ諸島、プエルトリコの3地点に囲まれた三角形の海域のことである。伝説では、多くの人や船舶や航空機がこの海域で忽然と姿を消したとされている。姿を消したのがどれだけなのかは、その数と場所をカウントしたのがどこの誰がによって異なる。この三角海域のサイズは、50万平方マイルとも、その3倍ともされており、著者の想像力次第で食い違っているのだ。(ものによっては、アゾレス諸島やメキシコ湾や西インド諸島まで三角海域に含めている。)伝説の中にはコロンブスの時代にまでさかのぼるものまである。それでもなお、過去500年間の遭難者数は200から、最高でも1,000人程度である。ハワード・ローゼンバーグの主張では、アメリカ沿岸警備隊は1973年、バミューダトライアングルでは過去100年間に8,000件以上の遭難信号に応答し、船舶50隻と航空機20機以上が墜落したと回答したそうだ。

この謎の失踪という超常現象を説明するために、今までたくさんの仮説が立てられてきた。悪い宇宙人、アトランティスのクリスタルの残渣、反重力デバイスかその他おかしなテクノロジーをもつ悪い人間たち、それに四次元からやってきた悪の渦巻などは、ファンタジー作家たちのお気に入りである。テクノロジー指向の強いひとたちのお気に入りは、不思議な磁場やオセアニック・フラチュランス(海底からメタンガスが噴出したというもの)だ。そして懐疑的探究者のお気に入りは、天候(雷雨やハリケーン、津波、地震、高波、海流など)、不運、海賊、貨物の爆発、無能な乗員、その他の自然要因や人的要因である。

懐疑論者の中には、事実は伝説を裏づけるものではないし、そもそも解明すべき謎など存在しないのだ、と主張する者もいる。海域のサイズと場所、それに通行量を考慮するなら、この海域での遭難件数はそれほど多いものではないのである。バミューダ海域で忽然と姿を消したとされる船舶や航空機の多くは、バミューダ海域そのものにはまったく入っていないのだ。失踪事件に異常現象が関与しているという科学的証拠は、これまでのところ発見されてはいない。したがって、海底からメタンガスが放出されたとか地磁気異常が起きたとかいった、いわゆる科学的説明も含めて、どんな説明も必要ないのだ。本物の謎は結局のところ、いったいなぜバミューダトライアングルが謎とされるようになったのか、それだけだ。

現在のバミューダトライアングル伝説は、1945年、バミューダトライアングルでの訓練中に海軍機の編隊[フライト19]が激しい嵐の中で消息を絶ったことから始まっている。一番論理的な仮説は、編隊長をしていたチャールズ・テイラー大尉の方位計が故障した、というものだ。訓練生の機には作動可能な航法装置が装備されていなかったのだ。編隊は機位を見失い、悲劇的だが単純に燃料不足になったのだ。地球が燃料切れの機体に及ぼす重力という不思議な力以外には、謎の力が関与したとは考えられない。救援機のうち1機が離陸直後に炎上したのは事実だが、これは燃料タンクが故障したためだろう。

記事や書籍、それにテレビ番組は長年にわたってバミューダトライアングルの謎をひろめてきた。ラリー・クシェは自身の研究の中で、この問題についてまともに調査をおこなった者が皆無に等しいということを見つけ出している。逆に先行した者の推測をそのまま受け取って、それをさも真実のころもであるかのように、他の誰かへと手渡しているのだ。数多くあるバミューダトライアングルの謎に関する無批判な記事の中に、この謎についてベストセラーを書いたチャールズ・ベルリッツを超える伝説を創造したものは、ひとつもないのだ。クシェは、海軍調査委員会による1945年の航空機遭難事件に関する400ページ以上の公式レポートを調査し、委員会はこの事故についてまったく意に介してはいないし、またベルリッツが自著の中で引用しているような無線の発信など述べられてはいないことを見出した。クシェによると、ベルリッツは誤解していないとするなら、でっち上げをしているのだ。クシェ曰く:「もしボートは赤いとベルリッツが言うなら、きっとボートは赤以外の色に違いない。」(当時ベルリッツはバミューダトライアングルという名を発明していなかった;この名前はビンセント・ガディスがフィクション小説誌 Argosy 1964年に上梓した ``死のバミューダトライアングル''で発明したものだ。)

つまり、バミューダトライアングルの謎は、無批判な作家たちの間である種の組織的強化が行われたことと、大西洋で何か不思議なことが起きているという思惑を無批判に広めた拙速なマスメディアによって、謎となってしまったのだ。



参考文献

Kushe, Larry. The Bermuda Triangle Mystery--Solved (Prometheus Books, 1995), reprint of the Warner Books 1975 edition. $13.56

Randi, James. Flim-Flam! Psychics, Esp, Unicorns, and Other Delusions (Buffalo, New York: Prometheus Books,1982), ch. 3. $15.16 

Copyright 1998
Robert Todd Carroll
Last Updated 11/13/98
日本語化 01/31/00

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