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Robert Todd Carroll

SkepDic 日本語版
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テキサスの狙撃兵の誤り
Texas-sharpshooter fallacy

テキサスの狙撃兵の誤りとは、疫学の研究者がクラスターの錯覚に与えている名前である。政治家や法律家や科学者のある者は、状況の中から病気の集団を取り出して、環境要因と病気の間に、あるはずもない因果関係をつくり出してしまう。統計的に有意なことがら(すなわち偶然では起こり得ないことがら)は、現実には確率の法則にしたがって、ある一定割合で生じるものなのだ。

アメリカの科学者が調査したガン患者の集団に関する数千もの研究のうち、“背後にある環境要因を、説得力を持って同定したものはひとつもない”(ガワンディ)。

この言葉は、テキサスの狙撃兵の話にちなんで名付けられた。この狙撃兵は、まず納屋の側面めがけて銃を撃って穴をあけ、それから空いた穴の回りに的を描いたのである。つまり、先に個々の病気の事例を記述して、それから境界線を引くのと同じである(ガワンディ)。



参考文献

Gawande, Atul. "The Cancer-Cluster Myth," The New Yorker, February 8, 1999, pp. 34-37.

Gilovich, T., R. Vallone, and A. Tversky. "The hot hand in basketball: On the misperception of random sequences," Cognitive Psychology, 17, 295-314.

Gilovich, Thomas. How We Know What Isn't' So: The Fallibility of Human Reason in Everyday Life (New York: The Free Press, 1993) $12.76
トマス・ギロビッチ,人間 この信じやすきもの 迷信・誤信はどうして生まれるか.守一雄・守秀子 訳.新曜社.

Copyright 1999
Robert Todd Carroll
Last Updated 10/31/99
日本語化 05/23/00

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